2006年 06月 04日
碌山の恋 |
来年2月、あるいは9月頃までに、SBCで創立55周年記念自主制作ドラマ「碌山の恋」が放映される。
企画SBC、製作はテレビマンユニオン。脚本、監督は合津直枝さん。
以前、塩尻東座で「落下する夕方」を見たが、その監督をされたのも合津さん。合木さんのお友達でもある(らしい)。
穂高を拠点に地元文化を研究している老人大学(なんて言っていいのか?)「安曇野塾」が、その合津さんとSBCのプロデューサー岩井さんを迎えて、トークショーをするというので聞きに行って来た。
春に美術館へ遊びに行ったときに、柳沢理事長が粘土で「女」を作っていて、細萱?さんの「文覚」共々、コピーとは思えない迫力があって、感動したんだけど、どうやらその力作は合津さんの「ご協力をお願いします」のひと言で、理事長が自主的に、献身的に、製作に踏切ったものらしかった。
ロケの日、東京から来たクルーが、張りぼてではない粘土の重さを体感して、地元ボランティアの気迫に圧倒されたらしい。
「中途半端なものは作れない!」合津さんのプロ魂が一層激しく燃えた、という。
SBCクルー、池上さんも「こういうヒトが上司に居なくて良かった」と場内を沸かせた。
5日間で穂高ロケを消化した合津さんの気迫は凄かったらしい。
それにもまして、脳梗塞から立ち直り、粘土での「女」像を制作するに至った理事長の思いが痛いほど、僕には理解出来た。
2004年に歯科大の山下先生が脚本、主演し、私の中学時代の恩師本山先生が監督をされた舞台劇「文覚」での経験が、柳沢理事長を燃えさせたのだと思う。
あの時、山下先生からの依頼を受け、柳沢理事長は、発砲スチロールで「文覚」像を作ったのだった。
多少の違和感はあったけれど、それなりに迫力のある像だった、いわば円空の「文覚」像とも形容できる荒々しい迫力があった。 だが、造形にマッスは重要・・という彫刻の真髄をよく理解されている理事長は、どうしても発砲スチロールの軽さ、偽物っぽさが気に入らなかったのだと、僕には推察出来る。小道具でも、本物のマッスがなければ、ウソっぽくなってしまう・・・・そう反省されていたのではないだろうか。だからこそ、合津さんの「期待」を遥かに凌ぐ、まさに本物の迫力の像2体の制作に踏切ったのだと思う。
講演の終わり際に、SBCの池上さんがまとめたメイキングビデオが紹介された。
黒光役の水野美紀が、碌山の絶作と対峙するシーン。
無言でその像を見詰める黒光、カメラが引きながらアトリエの周辺も映し出し、合津さんの「カット!」の声。メイキングビデオのカメラはそこから合津さんの横顔のアップへ。合津さんは、カットの声を発してから、眼鏡を静かに取る、厳しい目で、まだ「女」と「黒光」を見ているのだが、涙を堪えてもいる(様に見えた)。
・・・・・だめ。もう、こういうカットは年寄りにはキツイ、涙が出て来てしまって(爆)
茶話会が終わって、笠原元町長に、写真撮るならココで撮りなさいと、一番前の席に座らされて、しかも、質問のコーナーで、聴衆から手が上がらなかったら、いきなり「どうでした?」とマイクを向けられてしまった。
「わずか30秒のメイキングビデオ見ても、感動して泣けてしまいました。と、いうのも、そのドラマが、ただ碌山と黒光という人物のハナシだけではなくて、女優水野美紀の思いや、ボランティアスタッフ一人一人の碌山に対する思い、美術館を守っていこうとする思い、さらに合津さんのふるさとへの思い・・・その様々な思いがずっしりと伝わって来たからです」と言おうとしたのだが、不覚にも、途中でまた涙ぐんでしまって、マイクを返してしまった(爆)
グーズベリーハウスの柱に友の会の心得が彫られている。「自由」「平等」「献身」・・・
年寄りは命がけでボランティアやってる。
本当にスゴイ。
企画SBC、製作はテレビマンユニオン。脚本、監督は合津直枝さん。
以前、塩尻東座で「落下する夕方」を見たが、その監督をされたのも合津さん。合木さんのお友達でもある(らしい)。
穂高を拠点に地元文化を研究している老人大学(なんて言っていいのか?)「安曇野塾」が、その合津さんとSBCのプロデューサー岩井さんを迎えて、トークショーをするというので聞きに行って来た。
春に美術館へ遊びに行ったときに、柳沢理事長が粘土で「女」を作っていて、細萱?さんの「文覚」共々、コピーとは思えない迫力があって、感動したんだけど、どうやらその力作は合津さんの「ご協力をお願いします」のひと言で、理事長が自主的に、献身的に、製作に踏切ったものらしかった。
ロケの日、東京から来たクルーが、張りぼてではない粘土の重さを体感して、地元ボランティアの気迫に圧倒されたらしい。
「中途半端なものは作れない!」合津さんのプロ魂が一層激しく燃えた、という。
SBCクルー、池上さんも「こういうヒトが上司に居なくて良かった」と場内を沸かせた。
5日間で穂高ロケを消化した合津さんの気迫は凄かったらしい。
それにもまして、脳梗塞から立ち直り、粘土での「女」像を制作するに至った理事長の思いが痛いほど、僕には理解出来た。
2004年に歯科大の山下先生が脚本、主演し、私の中学時代の恩師本山先生が監督をされた舞台劇「文覚」での経験が、柳沢理事長を燃えさせたのだと思う。
あの時、山下先生からの依頼を受け、柳沢理事長は、発砲スチロールで「文覚」像を作ったのだった。
多少の違和感はあったけれど、それなりに迫力のある像だった、いわば円空の「文覚」像とも形容できる荒々しい迫力があった。 だが、造形にマッスは重要・・という彫刻の真髄をよく理解されている理事長は、どうしても発砲スチロールの軽さ、偽物っぽさが気に入らなかったのだと、僕には推察出来る。小道具でも、本物のマッスがなければ、ウソっぽくなってしまう・・・・そう反省されていたのではないだろうか。だからこそ、合津さんの「期待」を遥かに凌ぐ、まさに本物の迫力の像2体の制作に踏切ったのだと思う。
講演の終わり際に、SBCの池上さんがまとめたメイキングビデオが紹介された。
黒光役の水野美紀が、碌山の絶作と対峙するシーン。
無言でその像を見詰める黒光、カメラが引きながらアトリエの周辺も映し出し、合津さんの「カット!」の声。メイキングビデオのカメラはそこから合津さんの横顔のアップへ。合津さんは、カットの声を発してから、眼鏡を静かに取る、厳しい目で、まだ「女」と「黒光」を見ているのだが、涙を堪えてもいる(様に見えた)。
・・・・・だめ。もう、こういうカットは年寄りにはキツイ、涙が出て来てしまって(爆)
茶話会が終わって、笠原元町長に、写真撮るならココで撮りなさいと、一番前の席に座らされて、しかも、質問のコーナーで、聴衆から手が上がらなかったら、いきなり「どうでした?」とマイクを向けられてしまった。
「わずか30秒のメイキングビデオ見ても、感動して泣けてしまいました。と、いうのも、そのドラマが、ただ碌山と黒光という人物のハナシだけではなくて、女優水野美紀の思いや、ボランティアスタッフ一人一人の碌山に対する思い、美術館を守っていこうとする思い、さらに合津さんのふるさとへの思い・・・その様々な思いがずっしりと伝わって来たからです」と言おうとしたのだが、不覚にも、途中でまた涙ぐんでしまって、マイクを返してしまった(爆)
グーズベリーハウスの柱に友の会の心得が彫られている。「自由」「平等」「献身」・・・
年寄りは命がけでボランティアやってる。
本当にスゴイ。
by freepa
| 2006-06-04 20:09
| 評論